日本ハム・大谷翔平投手(20)が、ルール違反を犯していたことが分かった。
昨季中に使用していた打撃用の防具が、ルールで認められていないものだったという。
シーズン中は違反を指摘されなかったが、シーズン終了後、球団からの“事後報告”で判明。
他球団からは反発の声も上がるなど、NPB内で議論を呼んでいる。昨季は11勝、10本塁打の成績を挙げ、
今季は二刀流のさらなる飛躍を目指す若き怪物が、とんだ騒動に直面した。

大谷にとって2年目の昨季は飛躍のシーズンとなった。投げては160キロを連発し、
甲子園球場で行われた7月19日のオールスター第2戦では、クルーンの日本最速記録に並ぶ162キロをマーク。
さらに公式戦でも10月5日の楽天戦(札幌ドーム)で162キロを記録するなど、うなりを上げる剛速球を武器に、
規定投球回を投げて11勝4敗、防御率2・61、179三振を奪った。

さらに打っては打率2割7分4厘ながら10本塁打。2桁勝利と2桁本塁打を同時に記録した選手は日本球界には誰もおらず、
1918年のベーブ・ルース(13勝、11本)以来となる快挙だった。

その快挙の助けとなったのが「手甲(てっこう)ガード」だ。打席に立つ際、右手第3、4指にゴムを通す防具で死球から手の甲を守る。
アシックス社のオンラインサイトでも「手甲ガード(左右打者兼用)(大谷モデル)」として3240円(税込み)で販売されている。

左打者で大事な右手を投手側に出さなければならない大谷としては、万が一の死球に備える心強い相棒となっている。
大谷以外にもロッテの今江敏晃内野手(31)らが使用している。だが、この防具が問題だった。

NPBの井野修・野球規則委員(前審判部長)は「シーズンが終わってから(球団から)使用の報告を受けた。
手甲ガードの使用はルールで認められていない」とキッパリ。
実際、12球団による「選手権・試合アグリーメント」の「2014年度プロ野球で使用する用具規定・ドレスコード」でもリストバンド、
エルボーガード等とは違い、使用できる用具一覧の中には入っていなかった。

昨季中はとりたてて指摘がなかったことから、問題になることはなかったが…。
堂々と違反が許されていたことに、納得がいかないのは昨季、大谷に手痛い一打を食らった他球団だ。

ある球団のコーチは「手の甲が完全に守られているなら、内角の球にも思い切って踏み込める。
審判も『大谷だから』と大目に見ているんじゃないか」と、気づいていながら違反を見逃していたのではと疑惑の目を向けた。
NPBが事業の大きな柱として期待する侍ジャパンの顔にもなりつつある大谷。
そんなこともあり“特別扱い”をしているのではないか…というわけだ。