楽天は唯一、最後まで反対を貫いた。11月22日の実行委では、過去にD社が起こしたトラブルなどを独自に取材、編集した約60ページの資料を配布し、参入の再考を求めた。
この日の12球団実行委員会でも「将来的に、球団名にモバゲーを入れないこと」「健全性を保つこと」などの誓約書を書かせようと強硬に主張した。  

   この時だ。関係者によると、ある球団の代表者が「楽天さんは、いつになっても球場を増席しない。あなたたちこそ、参入時の約束を守るべきだ」と反論したという。

   各球団は日本シリーズやオールスターでの収益確保のため、3万席の本拠地球場を用意するよう求められている。楽天は04年の球界参入時、約2万3000席の宮城球場(現Kスタ宮城)を段階的に
2万8000席にすると約束したが、7シーズン過ぎた今も2万3026席(今年1月現在)しかない。その事実が決定打となり、楽天に同調する球団は出なかった。  
  楽天が参入を拒む理由として「株式買収をめぐるTBSとの確執」などが取りざたされている。いずれにせよ、今後の楽天が本拠地球場の増席を求められるのは間違いない。