モーリー・ロバートソン
@gjmorley
多様性とは文字通り、みんなの価値観やゴールが違ってもいいという考え方です。国是に叶ったエリート層の利権が保証される一方でマージンへと追いやられたさまざまな属性の人が理不尽な理由で不利益を被る画一型の国家主義だけでは環境を含めて持続可能性がない、との認識が広がり、「みんなで一つの方向を向く幸福モデル」から離脱することを意味するわけです。

したがって「成功者が教える、次の時代に生き残る鍵となるSDGs」は自己矛盾しています。なにをもって成功とみなすかを学歴、肩書、収入といった「外から見た物差し」だけに収斂させず、自分が本当は何をしたいのかというところに徐々に軸を移し、かつ大量生産、大量消費、過剰なサプライチェーンへの依存、労働力・資源・エネルギーの依存から脱却していこうという指向性だと思います。

「脱炭素」も気候変動のみに絞ったリニアーな対策ではなく、有機的に価値観も経済構造もシフトさせようという試みです
つまり「こうすれば解決する」という単純な「正義」がない。
みんなで目指すべきお手本もない。ただ、インスパイリングな事例はどんどん出てくる。それが新しいのです。
複雑な状況を単純化して本質を掴むという方法論ではなく、複雑なものを複雑なまま受け止めることが必要になります。