■ひきこもりの根っこに「毒親」「親ガチャ失敗」

「『見えない存在』として扱われていたこともあり、長らくひきこもり当事者は男性が多いと考えられてきました。当事者会などの集まりでも男性参加者が多くなることがほとんどです。また、DVやセクハラなどの被害を受け、男性に苦手意識を持っている女性も少なくありません。女性が安心して話せる場所が少ないのは、当事者が抱えている苦悩の一つだと思います」

 女性が抱える生きづらさは、様々だ。

 19歳のころから実家にひきこもる、関西地方に住むショウコさん(30代)は将来の不安について話す。
「今は身のまわりのことを母親にしてもらっていますが、このまま両親が年をとったら私はどうなるのだろうと。将来のことを考えると、不安で死にたいと思う時があります」

 取材を進めると、ひきこもりの根っこに「親との関係」を抱えている女性が少なくないことがわかった。「毒親」「親ガチャ失敗」──。そう語る当事者の女性は何人もいた。

 首都圏に暮らす女性(20代)もそんな一人。中学生の頃から断続的にひきこもっている。きっかけは、幼少期の親からの精神的虐待にあった。

 小学生の時にいじめに遭い不登校になると、親は登校を強く促し、勉強ができないと責め立てた。中学になると自室にこもるようになった。最近は少しずつ外に出られるようになったが、こう話す。

「親から自由になって、自分の人生を生きたいです」


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