「無い…はぁ、はぁ」
ワイはとある大手ハウスメーカーの新入社員だ。
といっても営業職で、厳しい指導を受ける毎日である。
雨の日も、猛暑の日も、寒い日も、
首から広告をかけて長時間声を上げてチラシを配らされる。
夜になったら遅くまで事務作業。
上司より先には帰れず大幅にサービス残業、
朝は朝礼のために提示よりずっと早く出社する。
限界が近づいていた。
彡(゚)(゚)「今日は…やきうが…」
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1それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:08:06.90ID:MhENAX9e02それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:08:23.99ID:MhENAX9e0 「あかん…もうだめかも…」
今日も過酷な営業回りだ。
珍しく高級な住宅街を歩いていた。
しかし新鮮さを感じる暇もなく、
毎日の疲れがドッと押し寄せてくる。
季節の変わり目というのもあるのだろう。
少し急な坂を登り終わったところで、
頭がクラクラし始めた。
そしてスッと意識が抜けていき、ワイはそのまま倒れた。
意識が飛ぶ刹那、倒れたところにある家が目に入る。
「あれ…ここ…うちの会社で…」
今日も過酷な営業回りだ。
珍しく高級な住宅街を歩いていた。
しかし新鮮さを感じる暇もなく、
毎日の疲れがドッと押し寄せてくる。
季節の変わり目というのもあるのだろう。
少し急な坂を登り終わったところで、
頭がクラクラし始めた。
そしてスッと意識が抜けていき、ワイはそのまま倒れた。
意識が飛ぶ刹那、倒れたところにある家が目に入る。
「あれ…ここ…うちの会社で…」
3それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:08:45.71ID:MhENAX9e0 目を覚ますと、ワイは真新しいベッドの上にいた。
「ここ…どこや…」
建てられたばかりのような匂いのする部屋だ。
ワイはゆっくり立ち上がり部屋を出る。
扉を開けると、ちょうど家主も入ろうとしていたようで、
ぶつかりそうになってお互いに声を上げた。
「起きたとね」
「あ…え…っ」
家主はワイのよくよく知っている人物だった。
「ここ…どこや…」
建てられたばかりのような匂いのする部屋だ。
ワイはゆっくり立ち上がり部屋を出る。
扉を開けると、ちょうど家主も入ろうとしていたようで、
ぶつかりそうになってお互いに声を上げた。
「起きたとね」
「あ…え…っ」
家主はワイのよくよく知っている人物だった。
4それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:08:50.71ID:CHv7QVr2a なんて妄想をしてました
終
終
5それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:08:59.35ID:MhENAX9e0 「あ…ありがとうございます、ワイ、倒れてましたよね…」
「歳同じだしタメでいいよ。ごめん、一応何かあったときのために身分証見ちゃった」
テレビの中で見る以上に立派な体格をしている。
「ほんますいません、運んでくれたってことっすよね…ごめんなさい…」
「気にしないで、家の前で倒れてる人いたら助けないわけにいかないし」
「じゃあ、ワイは会社戻ります、本当にありがとうございました。お礼、何か送るんで…」
本当はもっと話したい。
最後に時計を見た時から3時間ほど経っていた。
会社に帰ったら大目玉だろう。
「いや、会社の人にはさっき俺から今日は休むって言っておいた」
「歳同じだしタメでいいよ。ごめん、一応何かあったときのために身分証見ちゃった」
テレビの中で見る以上に立派な体格をしている。
「ほんますいません、運んでくれたってことっすよね…ごめんなさい…」
「気にしないで、家の前で倒れてる人いたら助けないわけにいかないし」
「じゃあ、ワイは会社戻ります、本当にありがとうございました。お礼、何か送るんで…」
本当はもっと話したい。
最後に時計を見た時から3時間ほど経っていた。
会社に帰ったら大目玉だろう。
「いや、会社の人にはさっき俺から今日は休むって言っておいた」
6それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:09:18.30ID:MhENAX9e0 「えっ…」
「何回も着信来てたから、友人って言って出て、倒れるほど調子悪いから今日はもう帰って休むって」
今日は予想外のことばかり起こる。
「ごめん、勝手に」
「いや、そんなことは…」
「でも倒れるほどきついのにまた仕事なんてアカンと思って」
「あ…おおきに。正直、助かる…」
「とりあえずもう一回寝たらいいよ、夕方起こすから」
「えっほんまに…」
ワイはそのまま憧れの人に肩を抱かれてもう一度一人でベッドに入ったのであった。
「何回も着信来てたから、友人って言って出て、倒れるほど調子悪いから今日はもう帰って休むって」
今日は予想外のことばかり起こる。
「ごめん、勝手に」
「いや、そんなことは…」
「でも倒れるほどきついのにまた仕事なんてアカンと思って」
「あ…おおきに。正直、助かる…」
「とりあえずもう一回寝たらいいよ、夕方起こすから」
「えっほんまに…」
ワイはそのまま憧れの人に肩を抱かれてもう一度一人でベッドに入ったのであった。
7それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:09:49.07ID:MhENAX9e0 夕方、ワイは起こされる前に自分で起きた。
「おはよ、何か食べるか、ウーバーでいいと?」
「あ…おはよう…」
自分にとってヒーローのような人に命を助けられ、
寝かせてもらい、二人きりでの夕食まで誘われている。
なんという奇跡だろう。
仕事を抜けてしまった罪悪感で押しつぶされそうな心が、高揚でなんとか形を保っていた。
「ここの店、美味かったんだけど、どう?」
「おはよ、何か食べるか、ウーバーでいいと?」
「あ…おはよう…」
自分にとってヒーローのような人に命を助けられ、
寝かせてもらい、二人きりでの夕食まで誘われている。
なんという奇跡だろう。
仕事を抜けてしまった罪悪感で押しつぶされそうな心が、高揚でなんとか形を保っていた。
「ここの店、美味かったんだけど、どう?」
8それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:10:03.36ID:MhENAX9e0 結局彼が好きな肉料理をたらふく配達してもらい、
食欲がイマイチ湧かないワイは少しだけ手を付け、あとは彼が美味しそうに食べるのを見ていた。
「よく考えたら病人に肉料理はアカンかったな」
「いやー、少しでも食べられただけ良かったで、最近あんまり食べてなかったから…」
「やっぱ、ずっと辛かったん?」
「え…、うん、まあ…いろいろとな」
「話してくれると?」
「ええんか…?」
「もちろん、話したら少し楽になるかも」
食欲がイマイチ湧かないワイは少しだけ手を付け、あとは彼が美味しそうに食べるのを見ていた。
「よく考えたら病人に肉料理はアカンかったな」
「いやー、少しでも食べられただけ良かったで、最近あんまり食べてなかったから…」
「やっぱ、ずっと辛かったん?」
「え…、うん、まあ…いろいろとな」
「話してくれると?」
「ええんか…?」
「もちろん、話したら少し楽になるかも」
9それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:10:18.59ID:MhENAX9e0 ワイは入社してからのことを吐き出した。
「ワイくんも大変だったんだな」
「いや、もっと頑張って結果出してる人の前でこんなこと…すまんな」
「いや、ワイくんは十分頑張ってるよ」
「ありがとう…」
「でも、体壊すほど無理する必要は無いと思う」
彼がワイのことをじっと見つめる。
「転職とか、考えてないの?」
「せやな…でも貯金もそんなに無いし、暮らしがな」
「よかったらさ、一緒に住まない?」
「ファッ!?」
「正直一人じゃこの家持て余してるし、ワイくんのこと、どうしても助けたくて」
こうしてワイの同棲生活が始まった。
「ワイくんも大変だったんだな」
「いや、もっと頑張って結果出してる人の前でこんなこと…すまんな」
「いや、ワイくんは十分頑張ってるよ」
「ありがとう…」
「でも、体壊すほど無理する必要は無いと思う」
彼がワイのことをじっと見つめる。
「転職とか、考えてないの?」
「せやな…でも貯金もそんなに無いし、暮らしがな」
「よかったらさ、一緒に住まない?」
「ファッ!?」
「正直一人じゃこの家持て余してるし、ワイくんのこと、どうしても助けたくて」
こうしてワイの同棲生活が始まった。
10それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:10:35.16ID:MhENAX9e0 一ヶ月後。
ワイは退職代行を使って会社を辞め、
なんとか全く違う業界の会社に再就職が決まった。
「ワイくん、本当におめでとう!すごいばい」
彼のたまに出る方言にもすっかり慣れていた。
今日は彼が就職祝いにケーキを買ってきてくれて一緒に食べた。
本当におかしな一ヶ月だった。
遠いところのヒーローのようだった彼と、
突然親友のような関係になって、
いや、それ以上…
ワイはそれ以上の感情を明らかに彼に持ち始めていた。
ワイは退職代行を使って会社を辞め、
なんとか全く違う業界の会社に再就職が決まった。
「ワイくん、本当におめでとう!すごいばい」
彼のたまに出る方言にもすっかり慣れていた。
今日は彼が就職祝いにケーキを買ってきてくれて一緒に食べた。
本当におかしな一ヶ月だった。
遠いところのヒーローのようだった彼と、
突然親友のような関係になって、
いや、それ以上…
ワイはそれ以上の感情を明らかに彼に持ち始めていた。
11それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:11:01.25ID:MhENAX9e0 その日の夜。
ベッドは大きなもの一つしかなかったので、
よほどの暑い日以外はいつも二人で並んで寝ている。
今日もそうだった。
「なあ、起きとる?」
「ん?どうした?ワイくん」
体を彼の方に向ける。
「一ヶ月、ほんまにありがとう。それでな…」
心臓がバクバク鳴っている。
「ごめん、ワイ…好きや。好きになってもた。ムネくんに恋してもうた」
ワイは彼に思いを打ち明けた。
ベッドは大きなもの一つしかなかったので、
よほどの暑い日以外はいつも二人で並んで寝ている。
今日もそうだった。
「なあ、起きとる?」
「ん?どうした?ワイくん」
体を彼の方に向ける。
「一ヶ月、ほんまにありがとう。それでな…」
心臓がバクバク鳴っている。
「ごめん、ワイ…好きや。好きになってもた。ムネくんに恋してもうた」
ワイは彼に思いを打ち明けた。
12それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:11:16.71ID:MhENAX9e0 どうせ一ヶ月も住まわせてもらい、
転職、といういいタイミングだった。
引かれて断られて、これでさよならになってそれで何も損は無い。
もともとワイの人生とは違うところにいる人なんだから。
しかし、彼はワイの方を向き、意外な質問を返してきた。
「俺のこと、そういう好きになったのって、最近?」
「うん…一緒に住み初めて、しばらく経ってからや…」
「なんね、じゃあ俺の方が先に好きになってるじゃん」
「え?」
「気づいてなかった?あの日、一目惚れしたから、連れて帰った」
転職、といういいタイミングだった。
引かれて断られて、これでさよならになってそれで何も損は無い。
もともとワイの人生とは違うところにいる人なんだから。
しかし、彼はワイの方を向き、意外な質問を返してきた。
「俺のこと、そういう好きになったのって、最近?」
「うん…一緒に住み初めて、しばらく経ってからや…」
「なんね、じゃあ俺の方が先に好きになってるじゃん」
「え?」
「気づいてなかった?あの日、一目惚れしたから、連れて帰った」
13それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:11:30.41ID:dX8p7N020 またワイムネか
王道やね
王道やね
14それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:11:32.73ID:MhENAX9e0 彼が布団の中でワイの手を握る。
「だから、好きだよ、俺も」
「えっ…あ…ありがとう…」
「ありがとうって面白いな」
彼が笑う。
「とにかくさ、付き合おう、そんで、ずっとこの家に二人で住もうよ」
予想していなかった彼の優しい言葉に目が熱くなる。
「せやな…一緒にいたい、ずっと」
たまらずワイは彼を抱きしめた。
「積極的やん、かわいいな」
彼がワイの頭を撫で、唇を寄せた。
真っ暗な寝室のベッドの上、ワイらはしばらくの間、初めてのキスを楽しんだ。
「だから、好きだよ、俺も」
「えっ…あ…ありがとう…」
「ありがとうって面白いな」
彼が笑う。
「とにかくさ、付き合おう、そんで、ずっとこの家に二人で住もうよ」
予想していなかった彼の優しい言葉に目が熱くなる。
「せやな…一緒にいたい、ずっと」
たまらずワイは彼を抱きしめた。
「積極的やん、かわいいな」
彼がワイの頭を撫で、唇を寄せた。
真っ暗な寝室のベッドの上、ワイらはしばらくの間、初めてのキスを楽しんだ。
15それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:11:45.90ID:MhENAX9e016それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:11:56.51ID:MhENAX9e0 ※全てフィクションであり実在の人物、企業には一切関係がありません。
17それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:12:05.84ID:jKfR7Y0P0 これ実話らしい
18それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:12:09.89ID:rFTUo7rU0 ええぞ
19それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:12:09.95ID:MhENAX9e0 はい
20それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:12:23.62ID:RrdYv7nq0 誰も読んでない定期
21それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:12:33.27ID:MhENAX9e0 今回ばかりはガチでフィクションや
誰も、どの企業もモデルにしとらん
誰も、どの企業もモデルにしとらん
22それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:12:57.47ID:mEzhlouGM さんいち
23それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:13:59.05ID:kc2R2s7v0 これまとめられてもないしホンマ趣味なんやね
2022/11/13(日) 00:14:05.07ID:qhisEnb/0
元ネタわからんと思ったらそれでええんか
25それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:14:56.76ID:dPJmcBl60 すーなん?
2022/11/13(日) 00:15:18.67ID:GqJP3FSV0
お前にフィクションは求められてないわ
27それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:15:52.33ID:MvaiLncP0 やっぱりムネワイこそが至高やね読んどらんけど
28それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:15:59.77ID:mEzhlouGM ムネは誰と絡ませてもいい
29それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:17:34.36ID:mXlmaOdK0 ワイくんはオープンハウスなんかな
30それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:18:47.66ID:rFTUo7rU0 ムネワイええな
31それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:18:56.88ID:MhENAX9e0 >>29
オープンハウスさんがこんなブラックなわけないやろ!!!素晴らしい会社やぞ!!!
オープンハウスさんがこんなブラックなわけないやろ!!!素晴らしい会社やぞ!!!
32それでも動く名無し
2022/11/13(日) 00:19:41.39ID:ktWkDOPK0 夢小説やん
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