「カワサキオヤジ臭ぇんだよ!」投稿者:マグナキッド
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日曜の朝、都内某所
バイク愛好家たちが集まる小さなサイトのツーリングオフが開かれようとしていた
集合時間10分前、既に来ているメンバーは7人
その輪の中へ、俺は愛車のマグナ50で乗り付けた
「おはよう!マグナキッドです!今日はよろしく!」
元気よく自己紹介する
「…あ、おはようございます」
「マグナキッドさんって高校生なんですよね?若いですね…」
なぜか皆の視線が泳いでいる 目を覚ますと午後10時、パソコンの電源を入れてあのサイトを覗いてみる
そこの掲示板には、今日のツーリングオフを楽しそうに振り返るメンバーたちの書き込みがあった
俺は偽ハンドルネームを使って『カワサキオヤジ臭ぇんだよ!死ね!』と書き込む。 すぐに管理人からのレスがあった
『マグナ君だね。当サイトのルール通り、君をアク禁にします』 よくわからんけどこれカワサキオヤジが架空のマグナキッドを作り出して成敗してやった!
みたいな話? ハーレーに跨って信号が青に変わるのを待つ俺は恥ずかしい過去を思い出す
まだ大型どころか中免も持っていなかった20歳の頃…
車の免許を取ったのはいいが、当時学生だった俺に車を買う金はなく バイク屋で一目惚れしたマグナ50を乗り回していた
クラッチ操作、ギアチェンジ、スロットルを回すと走りだす感覚
そして風を切って走る感動、全てが新しかった、50ccなのに立派な風格のマグナ50に俺は酔いしれていた。 街中で他のバイクを見かけては、隣に並んでメンチを切って空ぶかしした。
マグナ50に敵う奴なんかいないと信じていた
そんな俺が現実を知る日は、突然やってきた
あの日もいつものように信号待ちで隣に並んだ
スティードに乗ったオッサンを睨みつけ空ぶかしをして威嚇していた
だがオッサンは俺に向かってニコッと笑うと話しかけてきた
「かっこいいなぁ。それなんてバイクだい?」
不意を突かれた俺は、強がって聞き返した
「そっちこそなんてバイクだよ!デケーけど何cc?」
オッサンは余裕の笑みを浮かべながら言った
「これはスティードさ。排気量は600ccだよ。で、君のは何ccなんだい?」 頭が真っ白になった
600ccのバイクがあるなんて知らなかった。
マグナ50の12倍じゃないか…敵うはずがない…
そんなことを考えているうちに信号は青に変わり
オッサンは、俺がどう足掻いても追いつくことができないスピードで走り去っていった
そして俺は今、あの時の俺そっくりなマグナ50に乗った青年に話しかける
「かっこいいバイクだね。速そうだなぁ、何cc?」
青年は一瞬驚いた顔をしたが、不敵に言い放った
「に、ニーハンだよ!ニーハン!!勝負すっかゴラァ!」
信号が青に変わったことに気づき走り出す。
マグナ50を尻目に更に加速する ミラーに写るのは点になったあの日の俺だった カワサキオヤジ「仕方ないなマグナ君、僕の後ろに乗りな」
マグナキッド「えっ、でも俺のマグナは…?」
カワサキオヤジ「近くに駐輪場があるからそこに置いてきたらいい」
マグナキッド「わ、わかりました!すぐ置いてきます!」
こうして俺はカワサキオヤジとニケツしながら富士山をみながらそばを食った。カワサキオヤジの背中はちょっぴり汗臭かったがそれもいい思い出だ。
~fin~ 大人ならじゃあ今日はマグナくん僕の後ろでタンデムしない?ぐらい言え スペイシーでジョグZRと峠バトルして負けて
アドレス110でリベンジするマグナキッドみたいなss昔あったよな >>18
いやカワサキとかじゃなくていい歳こいてバイク乗ってるやつとか全員生きてる価値ないから(笑)
何で自分は違うと思ってんの ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています