国内最高齢男性の中村茂さん(111)=広島県神石高原町=が、15日未明に亡くなったことが分かった。

中村さんは1911(明治44)年1月生まれ。原爆投下3日後の45年8月9日にがれき撤去のため広島市内に入り、被爆した。若い頃は町内で建設関係の仕事に就いており、町道の整備にも携わっていたという。9月には厚生労働省が中村さんを国内最高齢男性と発表し、同町の入江嘉則町長から長寿祝いを受け取っていた。

親族や中村さんが入所していた神寿苑の職員によると、100歳を超えても1人暮らしをするほど元気で、最近でもほとんど1人で食事ができていた。コーヒーが好物で、食後の1杯を「おいしいなあ」と喜びながら味わっていたという。入浴時も大川栄策さんの「さざんかの宿」をよく口ずさんでいた。今月に入り食事ができなくなり、体調を悪くしていたという。