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こういう実験結果もある

ベンツに乗ると一時停止しなくなるのはなぜか?――社会心理学者の実験でわかったこと

フェラーリなどを使っての実験

「金持ちは利己的だ」といわれる。自分のことより他人の幸福を優先していては、たしかにお金などたまらないだろう。その一方で、「貧乏人は利己的だ」ともいわれる。今日一日分の食べものすらなければ、他人から奪ってでも生き延びるしかない。どちらが正しいのだろうか? 作家の橘玲氏は最新刊『バカと無知―人間、この不都合な生きもの―』(新潮新書)で、このテーマについて論じている。以下、同書から抜粋して一部を紹介する。

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 カリフォルニア大学バークレー校の社会心理学者ポール・ピフらは、この疑問に答えるため、車によって社会階級を五つに分けた。最上層はフェラーリで、最下層は現代自動車(ヒュンダイ)の乗用車だ。次いで、交通量の多いサンフランシスコのベイエリアの道路で、横断歩道の手前で止まって歩行者を渡らせた車を数えた。

 その結果、車種によってドライバーの行動が明らかに異なることがわかった。

 最下層に分類された車種のドライバーは、一人残らず車を止めて歩行者を優先した。中間層では、ドライバーの30%が車を止めずに歩行者の行く手を遮った。そして最上層のフェラーリのドライバーは、半分が交通法規を無視して自分の都合を優先させたのだ。

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/dailyshincho/nation/dailyshincho-915711