日本ハムからドラフト1位指名を受けた日体大の二刀流左腕・矢沢が、将来的な大目標に「先発&守護神」の新たな投打二刀流の実現を掲げた。

 過去、プロ野球で1試合で同一投手が勝利投手&セーブを記録した例が1度だけある。しかも、達成したのは日本ハムの大先輩だ。74年8月18日の近鉄戦。高橋直樹が先発し6回途中に一度、三塁に入り、再登板して試合を締めた。セーブが初めて導入された同年の記録だったが、そのオフにルール改定。以降、勝ち投手の権利を持つ投手にはセーブがつかなくなり同一試合の「勝利投手&セーブ」は再現不可能だが、先発&抑え登板は矢沢だからこそ可能な夢だ。

 投げては最速152キロ、打っては大学通算5本塁打、50メートル走5秒8の矢沢は、日体大でも外野手で試合出場。すでに、新庄監督も矢沢について投手→野手→再登板の「新庄スペシャル」実行プランを披露。矢沢も「いろいろな可能性を求めていきたい」と前向きだ。

 色紙には「開幕一軍 新人王」と記した。「これからプロ野球選手としてやっていくという自覚と責任を感じました。まずは新人王を狙いたい。そこに向かってガムシャラにアピールをしていきたい」。大谷とは違う、新たな二刀流の道を切り開いていく。