京田はいつもと変わらない朝を過ごした。静まり返った早朝のナゴヤ球場。ジャージー姿で室内練習場に姿を現すと、ゴムチューブを使い柔軟性を鍛えるなど自己流のアップで体を起こす。小型の打撃マシンをセットし、中堅方向に打ち込む。「ブランドものを買うか、このマシンを買うか、正直迷いましたね(笑い)」。1人でも練習できるように、昨年自費で購入したマシンが放つボールを黙々と約1時間打ち込んだ。

 10月10日の秋季練習で“フリー組”となってから、家族の用事や冠婚葬祭以外はほとんどナゴヤ球場や愛知県内の施設でトレーニングを行い、汗を流していた。球団からDeNAへのトレード通告を受ける直前の京田は「やることは変わらないから」と言葉を残した。

 青森山田高、日大での猛練習に耐え、つかんだプロへの道。DeNAへの移籍は決まったが、どんなときでも、自分の決めたことを黙々とやるのが、京田陽太というプロ野球選手である。
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