今回のトレードについて新井氏は「環境が変わるのは京田にとって間違いなくプラスになる。28歳の年齢は経験を積んで自分の考えも持っている、一番伸びる時期。近年の内容を見ていると、中日側としても“先入観”を持っている。このまま在籍しても復活は難しかったと思います」と語る。

 新井氏は1985年に南海から近鉄へのトレードを経験している。34歳とベテランの域に差し掛かっていたが、新天地では中西太氏の指導もあり復活。1987年には打率.366で首位打者を獲得し、最終的に2038安打を放った。

「私の場合は中西さんから『相手の球の力を利用して打ちなさい』というアドバイスがハマった。指導者の伝え方と、受け手側が上手く合わないといけない。そうでなければ選手が理解し結果を残すことは難しい。今年の京田を見ると“間”の取り方が、違った方向にいき、打撃のリズムがなかったようにみえました」

 DeNAには京田と同じ遊撃手で左打ちの石井琢朗打撃コーチが在籍。新井氏は2013年から2015年まで広島の1軍コーチとして共に過ごしており「立浪監督は形を凄く大事に意識させていたと思う。どっちがいい悪いではなく、石井コーチは個性を生かす指導。その形にハマれば、レギュラーを一度経験している選手は何か一つ掴んだら、グッと伸びる」と断言する。

石井琢朗なら京田を復活させられるという風潮