日本ハムなき札幌ドームがすぐに「黒字化」って本当? 市の“強気試算”の実現性
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 2002年のサッカー日韓W杯の開催などを見越して建設されたドーム。運営は札幌市の第三セクター『株式会社札幌ドーム』が行い、日本ハムからはリース料(使用料金)のほか、広告、グッズ販売、飲食など興行時のドーム内での売り上げの一部も入る契約となっていた。その額は年間20億円超と言われている。球団側は値下げならびに一部収入の分配額変更などを求めたが、逆に市は値上げを実施したという。

 札幌市の試算では日本ハム移転後は売上高が5割減になるとのことだが、その一方でJリーグ北海道コンサドーレ札幌のホーム全20試合を開催することに加え、大規模コンサートの実施、展示会誘致などで安定した経営を目指すという。その結果、2024年からは黒字に転換し、2023年から5年間の累計で約900万円の黒字になると言うのだが……。

「ドームの収益構造をしっかり理解できているのかが疑問。最も使用頻度の高かった日本ハムが生み出していた利益分を他でカバーするのは並大抵なことではない。中でも多大な収益を生み出していたのはドーム内の広告。これはプロ野球という露出効果のあるスポーツだからこそ可能だった」(経済誌フリーライター)

「ドーム内の広告は間違いなく減少する。札幌ドームなどスタジアムを支える一番の柱は広告収入。地上波のスポーツニュースでも映像が使われるなど、プロ野球の広告効果は大きい。年間60試合前後は定期開催されていた試合が全部なくなる。他競技の試合やイベント開催などでカバーできるものではない」(大手広告代理店関係者)