手すりのない橋を
全力で走る
怖いのは足下(あしもと)の
深い峡谷を
みる~せいだ

透き通った道を
全力で走る
ガラスかも 氷かも
疑いが足をすくませる

つんのめって
出遅れて
日は沈む
雨は横なぐりだ

俱に走り出そう
俱に走り継ごう
過ぎた日々の峡谷を
覗き込む暇はもうない

俱に走り出そう
俱に走り継ごう
生きる互いの気配が
ただ一つだけの灯(ともしび)