11月21日の『初交渉』。ノリの何気ないひと言で熱は一気に冷めた。
 「巨人は、これだけ出してくれるんです、と言いよったんや。小さな声でな」。
本人に他意はなかったかもしれない。ただ好条件を引き出すための、
駆け引きに利用されるニオイを感じた瞬間、身近に感じた「中村」は遠ざかっていった。