経営するのは菊地翔(かける)氏。1977年生まれの「天才トレーダー」でFX(外国為替証拠金取引)では利益率2520%という驚異的なトラックレコードを記録したという“伝説”を持つ。ネットでは1日に数千万円を費やす豪快なキャバクラ遊びが暴露されており、遊びの際は「かけるん」と呼ばれている。居住するのは虎ノ門の高層マンション41階の87㎡。約3億円をキャッシュで購入した。

その華麗さに今年3月以降、影が差し始めた。5月からは投資家の払戻請求に応じないことが多くなり、訴訟が相次いでいる。また証券監視委は、「合同会社の社員権取得に対する出資と称して、不適切な投資勧誘が行われている」として、6月21日、金融庁設置法第21条に基づく建議を行った。それを受けて内閣府令は改正され、10月3日から業務執行社員以外の従業員が社員権の募集を行う際には、金融商品取引業の登録が必要になった。エクシア合同のビジネスモデルは封じられたわけである。

エクシア合同はどんな状況にあるのか。投資家からの依頼を受け、準備中も含めて10件の原告訴訟代理人となっている唐澤貴洋弁護士が説明する。

「エクシア合同は、設立から2021年の年初ぐらいまでは海外法人に貸し付け、そこが運用を行い、その利息をエクシア合同が受け取り、出資者(社員)に分配する形でした。最初はイギリス法人のエクシア・リミテッドで次がシンガポール法人のエクシア・プラベート・リミテッド。ところがエクシア・リミテッドは休眠状態のまま解散。エクシア・プラベート・リミテッドの会計情報を取り寄せると、資産は2017年の段階でなく、18年になっても4236シンガポールドル(約34万円)でした。
そうした状態で、どうして高額配当が可能だったかは疑問です。また、現在はエクシア合同が子会社のエクシア・アセット・マネジメント(第二種金融商品取引業者)とエクシア・デジタル・アセット(暗号資産交換業者)に投融資を行い、利益を得て出資者に配当する形となっていますが、この両社は経営が思わしくなく、配当に応じられる状況にはありません。つまり設立以来、どうやって収益を上げているかがわからない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/343de09d85c8d13cbe33ea2b987811c17be512b9