ことし8月、自分の母親に包丁を見せて「早く、死ね」などと言って自殺させたとして、自殺教唆などの罪に問われた54歳の被告の裁判が、24日、金沢地方裁判所で始まりました。
検察側は、被告が母親に自殺を迫ったきっかけについて「母親が、被告が食べようと思っていたカレーを近所におすそわけしたことだった」と説明しました。

加賀市の無職、東谷直人被告(54)は、ことし8月、自宅で同居していた78歳の母親に対し、殴る蹴るの暴行を加えたうえ、包丁を示して「はよ、死ねや」などと言って、自宅の納屋で首つり自殺をさせたとして、自殺教唆と暴行の罪に問われました。
25日、金沢地方裁判所で開かれた初公判で、東谷被告は「間違いないです」と述べ、起訴事実を認めました。
検察側は「被告は事件の前から母親が手料理を作ってくれないなどと腹を立て、暴言を吐いたりしていた。母親が被告が食べようとしていたカレーを、近所におすそわけしたことに激高し、包丁を向けて自殺に追い込んだ」と事件の経緯を説明しました。
裁判は、検察側が懲役3年を求刑して、25日で結審し、判決は12月5日に言い渡されます