日本プロ野球選手会(労組・会沢翼会長=広島)が、日本野球機構(NPB)に対し、「マイナーリーグフリーエージェント制(以降マイナーFA・仮称)」導入を含めた移籍制度の全体的改革の提案を検討していることが29日、分かった。戦力均衡を目的とした移籍市場の活性化を目指す改革案の一部で、大リーグの同名制度をモデルとしたもの。FA権取得期間の短縮、現役ドラフトの拡充とともに来月5日の選手会定期大会で議論する。

 マイナーFAは大リーグで導入されており、マイナー所属が7シーズン以上で40人枠を外れている選手に適用される。日本で導入する場合は球団在籍年数や2軍での出場試合数などが適用条件に想定されるが、選手会側は「設定は大事になる」と今後も検討を重ねていく方針だ。

 選手会の森忠仁事務局長は「それぞれのレベルで移籍市場を活性化させる制度が必要。マイナーリーグFAはその一つの手段」と説明した。現状の移籍制度は(1)トレード、(2)FA権の行使、来月9日に初めて実施される(3)現役ドラフト制度がある。FA権はトップ選手、現役ドラフトは主に1軍と2軍の中間層の選手が中心となることが予定されているが、現状ではいずれも限られた選手しか対象にならない。そこから漏れる選手がマイナーFAのターゲットで、キャリア全盛期ながら1軍出場機会に恵まれない30歳前後の選手に主体的な移籍のチャンスが生まれる。