「競馬に使うため」1300万円横領で沖縄・座間味村の元職員を逮捕 容疑で那覇署と県警 村の告訴より被害額減、出納管理に不備か
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那覇署と沖縄県警捜査2課は29日、座間味村と那覇市を結ぶ村営定期船の乗船料の売上金など計約1300万円を横領したとして、業務上横領容疑で同村役場那覇出張所長(当時)だった元村職員の男(46)を逮捕した。
「競馬などに使うために横領した」などと容疑を認めている。

容疑者は逮捕前、琉球新報の取材に「(公金横領について)何も話すことはできない」と口を閉ざしていた。
29日午後1時半ごろ、本島中部の自宅から出ると、警戒した様子で何度も周囲を見回しながら車に乗り込んだ。約30分後、移動先で捜査員らの任意同行の求めに応じた。
逮捕容疑は2016年9月ごろから21年3月ごろの間、那覇市前島の座間味村那覇出張所で複数回にわたって計約1300万円を横領した疑い。

座間味村などによると、容疑者は16年4月~21年3月にかけて、那覇出張所の所長として勤務した。在任中、他の職員の退勤後に乗船客にキャンセルが出たかのように装い、伝票の改ざんなどを繰り返した。

1回につき、数万~数十万円を数百回にわたって不正に入手した。横領した金は「ギャンブルや生活費に充てた」と話していたという。
村は21年9月、同容疑者を懲戒免職処分とし、乗船料などの公金約3282万円を横領したとして、刑事告訴していた。関係者によると、逮捕容疑の被害額が告訴より約2千万円少ない背景には、村の出納管理の不備があったとみられる。

長期間にわたる犯行を裏付ける記録や関係資料がそろわなかったことなどが一因とみられるという。

容疑者は近親者らに「申し訳ないことをした。逮捕されるかもしれない。捕まるなら早く捕まって、その後、横領した金を働いて返したい」などと話し、返金の意向を示したという。29日現在、村への返金は確認されていない。
 (高辻浩之、友寄開)