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ブルペンを預かる金村投手コーチが今季施した“変革”を明かす。

 「(継投で)行く、行かないじゃなくここで行くと決めたら行くっていうのは主導でやらせてもらってる。最初に(ピンチを)止めにいくなら止めに行くと決めて。“同点になったら”とか“勝ち越されたら行く”っていうのは無しにして。“このバッターでピンチだったら行く”というのは徹底してやった方がピッチャーも準備しやすいし、気持ちも作れる。間違いなく待機も減るんでね」

 リリーフ投手には表には見えない“登板”が存在する。状況を見ながら1日に何度も肩を作って準備する「待機」と呼ばれるものだ。わずかな数球でも、1年で換算すれば大きな蓄積。昨年から本格的に中継ぎに転向し46試合に投げた岩貞は待機を含めると“100登板”を超えたという。同コーチも「昨年、サダ(岩貞)がパフォーマンスが落ちたのは待機が多すぎたと思ってる。その辺を管理してあげないと選手生命、キャリアに関わってくる」と振り返る。

 今季は、1日に何度も肩を作る待機は減少し、ピンチで想定していた打者が来れば迷わず投入。試合中、最後までブルペンにいる岩崎も「(他の投手は)何回も肩を作ることは無くなっていると思う」と証言する。もちろん例外もあり、実質1年目で開幕から奮闘する浜地に関して金村コーチは「彼は経験値。逆に投げて体を強くしていかないといけない。待機は増えるけどその分、1イニングじゃなく、3分の2とかで終わらせたりね」と説明。実際、1イニング未満の救援がすでに9登板あり、勝ちパターンを担う後半戦も好投が続いている。

 他にも湯浅、岩崎の登録を外して10日間の積極的休養を与えるなど、先を見据えた運用が個々のパフォーマンス向上に直結。誰もが好調なため、競争意識も自然と高まる。岩貞は言う。「昨年の今の時期と比べてもコンディションは全く違う。待機も関わってると思う。(ブルペンのメンバーは)先輩、後輩というよりは横一線という感じでやってる」。


やっぱり意識しないと待機100行くらしい