どっかで喋った覚えがあるので、ネット上にも転がってるかもしれないエピソードですが……

いまを去ること30年前、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』第11話「ご主人さま!」のおりのこと。

ジュウレンジャーの敵ドーラモンスターは、伝説上の魔神や幻獣がモチーフという趣向。
『アラジンと魔法のランプ』のランプの精のモンスター・ドーラジンが、子供たちの欲望を煽って支配をたくらむ……というコンセプトで、脚本作業が進行していました。
打合せが終わりかけたころ、会議室のドアがガラッと開き、

「ゴルァ!」

と乱入してきたのが、メインライターの杉村升さん。

「ランプの精は子供たちの夢だ! それをワルモノに仕立てるとは何事だ。子供たちの夢を壊す子供番組がどこにある!」

と、えらい剣幕。
ふだんは柔和な杉村さんですが、ガタイでかくてコワモテ。怒ると、迫力ハンパありません。
一同しゅるしゅるしゅる……となりました。

この事件を通じて、子供番組の作り手としての姿勢を学んだのです。