カタールW杯で決勝(18日=日本時間19日)に進出した前回王者フランス代表が非常事態だ。

 フランスは14日の準決勝モロッコ戦で2―0と快勝し、史上3か国目の連覇へ王手をかけた。しかしアルゼンチンとの頂上決戦を控え、にわかに暗雲が垂れこめている。

 体調を崩す選手が相次ぎ、準決勝をMFアドリアン・ラビオ(ユベントス)が欠場。DFダヨ・ウパメカノ(バイエルン・ミュンヘン)とFWキングスレー・コマン(同)はベンチ入りしたものの風邪の症状が出て出場しなかった。

 ディディエ・デシャン監督は会見で「インフルエンザのような症状の選手が何人かいる」と説明したが、原因のウイルスを巡って様ざまな憶測が飛び交っている。

 フランスのラジオ局「RTL」は「風邪、ウイルス症候群、熱病…。いくつかの仮説が代表チームの周辺で取りざたされているが、メンバーに影響を与える病気の正確な性質は示されていない」と原因が特定できていないと強調。同国メディア「20minutes」も新型コロナなどの可能性を指摘しつつ「伝染性症候群のいずれかなのか…。とにかくフランスチームはカタールW杯の決勝に影響を与える〝謎の病気〟に対して予防措置を講じるしかない」。