倭寇の正体について、村井は、当時国家概念が明確ではなく、環東シナ海の人々が国家の枠組みを超えた一つの共同体を有しており、村井は彼らを独自の文化をもつ「日本」とはまた別の人間集団だとしている。

倭寇の根拠地は日本の対馬や壱岐・五島列島、瀬戸内海をはじめ、朝鮮の済州島、中国の沿海諸島部、また台湾島や海南島にも存在していた。

ボルネオ童話において、倭寇と思しき者が活躍する伝承もあり、この周辺まで広く活動していたと思われる。また倭寇であるかは不明であるが、現在のタイ(当時のシャム)においてもスペイン軍が「ローニン」の部隊に襲われて全滅したとの記録もある。