頭おかしくないかこいつ

自分の評判のことを気にしていた小室さん
「彼は新人のころから、“個性的な青年”と見られていました。小室君のセクションの上司が、彼のことを聞かれたとき、『言ったことをやらないんだよね。ぼーっとしていて、いい印象はないな』と断言したことは印象に残っています。そんな上司の発言の後、たまたま私と小室君が2人きりで話す機会があったのです。

彼も自分の評判が芳しくないことを少し気にしていた様子だったので、励ますつもりもあって、私はこんなことを言いました。
『君の評判がよくないのは、上司や同僚たちの“やっかみ”もあるかもしれないよ。彼らは君ほど英語が上手じゃないだろうしね』
すると彼は納得したように『なるほど、やっかみですか!』と、しきりにうなずいていたので逆に驚きました。冗談のつもりで『英語力を生かせる仕事に転職する選択もあるよね』とも言ったのですが、そのあとすぐに銀行を辞めてしまったのです」(職場の元先輩)

“自分をやっかむ上司や同僚は許せない”、そんな遺恨は深く、小室さんは6年以上たっても忘れていなかったのだろう。