「プッシャー(薬物の密売人を表す隠語)をたたこう」。岩川被告が持田多嶺(たね)被告(22)=同罪で起訴=から
こう持ちかけられたのは、事件当日のことだ。

そもそも犯行グループ4人の関係性は薄く、岩川被告が来阪したのもわずか3日前。知人を介して知り合っただけの関係で、
持田被告とは初対面だった。ほかの2被告とホテルを転々としていたという。

取引を装って専門学校生を呼び出し、隙をついて一斉に襲い掛かる-。金銭を得る目的で、こうした計画が持ち上がった。

なぜ思いとどまることなく加担したのか。岩川被告は当時の心境を法廷でこう語った。「断ったら『ダサい』と思われる。相手
(専門学校生)も悪いことをしているからやられても仕方ない」

実行役の3人は、現場に向かう際にそれぞれ凶器を手にした。岩川被告がパーカーのポケットに忍ばせたのはナイフだった。

転倒させた専門学校生を羽交い締めにして一方的に襲撃。専門学校生が「勘弁して」と所持品を差し出しても、狂気が
止まることはなかった。「無我夢中で記憶はない」という岩川被告のナイフは専門学校生の背中に突き刺さった。

持田被告は専門学校生が力尽きる様子を動画で撮影していた。「うわーかわいそう。ははは、動かなくなったじゃん」。
動画には笑い声が記録されていた。
https://www.sankei.com/article/20221107-YXRUY2DT3BOZ7LDPBCTIUPSODY/