最後の1勝まで、あと一歩だった。エナジーロッソとの激しい競り合いは、惜しくも4分の3馬身差の2着だった。「悔いはありません。勝てなかったが、これでめどがついた。お世話になる中竹厩舎の馬ですから。きのう(中山大障害)が3着、きょうが2着と、僕らしくていいんじゃないですか」引退セレモニーでは、参加可能な騎手すべてに囲まれて、最初から最後まで、笑顔、笑顔、笑顔。負傷で休養中の藤井勘一郎騎手が車イスで駆けつけるという、植野貴也の人柄が詰まった詰まったラストライドだった。
 思い出の一頭はバンブーユージン。「デビューした日に逃げろと言われて、何がなんだかわからないうちに勝っていた」1994年3月5日、初勝利はデビュー3戦目の特別勝ち(中京・ゆきやなぎ賞)。三浦皇成騎手に並ばれるまでの特別勝ち最短記録だった。

三浦って事あるごとに名前出てくるしやっぱすごい騎手では?