コメント
倉原優 呼吸器内科医
軽症中等症のコロナ病床で勤務しています。病床使用率はじわじわ上昇しており、とにかく高齢者の入院要請が多い状況です。新型コロナ発症をきっかけにして、細菌性肺炎や誤嚥性肺炎などを併発し、それが不幸な転帰に結びついている構造があります。
過去のインフルエンザシーズンでもこのような現象はありましたが、あの時は「この冬さえ乗り越えれば」という気持ちで戦っていました。しかしコロナ禍は、「終わらないシーズン」と3年間ずっと向き合っているような感覚です。
若い人はただの風邪でよいのですが、感染力が驚くほど強く、あっという間に院内・施設クラスターが起こります。これも過去のインフルエンザシーズンではそこまで多くなかった現象です。そのため、この病気を十把一絡げにただの風邪と決めつけるのは短絡的な気がします。