最初に覚えるのは仕事ではなく、我慢 (天ぷら職人、早乙女哲哉氏)

「あんたたちは仕事を覚えに行くんじゃないんだよ。その店へ“我慢”を覚えに行くんだ。我慢を覚えたら、もうその時にはちゃんと仕事も覚えているから。
店のオヤジさんが気分よく寿司が握れる、快適に料理ができる、あいつの掃除は凄いなと感心される。

そうやってオヤジさんにとって気分のいい掃除ができるか、気持ちのいい皿洗いができるか。
それができた時には、オヤジさんと同じリズムで仕事ができているということで、オヤジさんを超える気配りがあなたにあるという証拠だ」

そう言って送り出すと、途中で辞める人はほとんどいません。

駆け出しの頃に店を移りたくなる理由のほとんどは、「上の人が何年経っても仕事を教えてくれないから」というもの

そうではなく、五年我慢したら五年分、十年我慢したら十年分、ちゃんと仕事を覚えているものだと、私の経験からもそう思います。