弱者の側にいるのに、弱者切り捨てに賛成してしまう

【佐藤】この前、非正規雇用労働者などの支援活動をしている作家の雨宮処凛かりんさんと対談したのですが、
支援を受ける人たちに共通するのが、お話しのように自己肯定感が極めて低いことだとおっしゃっていました。
一方で、理想とするのは、実業家の前澤友作さんや堀江貴文さんだったりするんですね。やっぱり、新自由主義的なものはウェルカム。
なぜ自分を苦しめているものを是認してしまうのか、クエスチョンマークしかないと彼女は言っていました。

【斎藤】弱者男性の怨嗟えんさの向かう先は、支配層ではなく、自分のちょっと上の中流ぐらいの層だというのも、よく言われることなんですね。
自分たちより弱者に対しては、もっと容赦なかったりする。結果的に、弱者切り捨てに賛成してしまうという、自分の首を絞めるようなことになっているのです。

【佐藤】さらにこうした弱者男性たちは、福祉の話になると、「でも財源がないから」などと言うのだそうです。
自分自身は弱者なのに、まるで為政者側の立場にいるかのような発言をする。そのことにも驚いていました。

https://president.jp/articles/-/53016?page=2