宮崎:
『ハウル』の評価には怒ってますよ、ものすごく! 殴りにいこうかと何度も思って(笑)。
説明するための映画は作らないと決めた以上、俺は説明しない!っていうことでやったら、やっぱり半分ぐらいの人はわからないみたいなんですよね。これはきわめて不愉快な現実でしたね。

これは前から感じてたんですけど、理屈が通ってるのが好きだっていう人たちはいるんですよ。その人たちは映画を観なくてもいいと思うんだけどね、僕は(笑)。と言ってもしょうがないんで。お客さんがお金を払ってくれるんですから。

『ハウル』は、ほんとに骨の髄まで考えた末の作品ですからねえ。「考えりゃいいってもんじゃない」っていうのも鈴木さんに言われたけど。「そりゃ考えたことのない奴が言ってることだ!」って言いたくなるぐらいね。「俺と同じぐらい考えてみろ!」とかね(笑)。そのぐらい考えました。