総務省キャリア官僚の男性(当時31)が自殺したのは長時間労働でうつ病を発症したためだったとして、同省が公務災害(労災)を認定した。23日付。代理人弁護士が25日発表した。

 男性は2008年に総務省に入省し、要職を任され続けたが、残業も増大。
総務省が開示した資料によると、大臣官房総務課の係員だった11年3月は東日本大震災の対応などで時間外労働が168時間、同4月は178時間にのぼった。

 官房企画課の係長として税制改正に関わっていた13年11月には135時間の残業があり、この月に過重労働が原因のうつ病を発症したとみられる。男性は翌年3月下旬に自殺した。

 記者会見した遺族側代理人の川人博弁護士によると、男性の遺品からは、総務省に内定した際の懇親会で先輩官僚たちが披露した歌の歌詞の紙が見つかったという。
「やったやった 国会待機」「やったやった 残業確実」「2時間睡眠」などの文言があり、川人氏は「男性は内定段階から過酷な長時間労働を前提に職場に迎え入れられていた」と指摘した。

 川人氏によると、総務省は男性の死亡後、公務災害にあたるかどうかの調査を始めたものの、その後手続きを放置。
総務省から5年にわたって何の説明も受けられなかったことから、遺族が今年10月9日に公務災害の認定を申請した。
鈴木茂樹・総務事務次官(当時)は男性の父親に対し、「天国の男性に謝罪し、またご遺族に謝罪し、お悔やみ申し上げます」と謝罪した。


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