ここしか進路はない。直線坂下、内ラチと逃げ馬の間のわずかな空間。イチかバチかで突っ込んだ杉原の導きに応え、キタウイングが1頭分の隙間をこじ開けて突き抜けた。

2つ目の重賞勝ちを飾った人馬を出迎えた小島師は殊勲の杉原に「どうした、おまえ」と最内を見事に割って出てきた騎乗をたたえ、「普通だったら前が詰まるでしょう。勝つ時ってこういうものなんですよね」と笑顔を見せた。