一方上杉鷹山は

鷹山の妻の名は幸(よし)という。幸姫はカリエスを患い、体の動きも不自由であり、脳の発育も子どものままで止まっていた。
10歳にも満たぬ幼女同然の体であったと記されている。家臣は「側室をお持ちください」と言ったが、鷹山は「幸姫は天女だ。天女を裏切ってはならぬ」と、側室を持つことを断った。
幸姫は、自分に優しくしてくれる者は無批判・無条件に信じたし、人間の世の汚れというものを全く知らなかった。鷹山は、「生涯をこの姫のそばで送ろう」と決意したのであった。