「昔から死
ぬ、死ぬといった人に死んだためしがありません。 司令官から私は切腹するからと相談を
持ちかけられたら、幕僚としての責任上、 一応形式的にも止めないわけには参りませ
ん、司令官としての責任を、真実感じておられるなら、黙って腹を切って下さい。誰も邪魔し
たり止めたり致しません。心置きなく腹を切って下さい。今回の作戦(失敗)はそれだけの
価値があります」と苦言を呈され、あてが外れた牟田口は悄然としたが自決することな
く[23]、余生をまっとうした。