岡田:「日本の場合はこの8項目を使って体力測定を行なっている。ただ、7項目は筋力を中心としたものが有利に働くものを測っていて、長座体前屈だけが柔軟性を測る項目。
女性が上回るのは柔軟性の部分だけなので、逆にいうと男性が有利になるものばかりを選んで測っているのが体力だといえる」

――測定基準を見直すという考え方もあるのか? 岡田:「本来はその可能性もあるが、そもそもこの8項目を測るようになったかというと、人間の体の力で重要な順に8個選んだわけではない。
むしろスポーツの世界で役に立つ、高いパフォーマンスにつながりやすい筋力を中心としたものばかりを体力だとして測ってきたという歴史がある。
そういう意味でいうと、科学的で中立的だと思われがちな体力の概念は、かなり恣意的というか、男性が有利になりやすいものばかりを体力として測っている」