――ほかにどのようなことを大事にしていますか。

鈴木 あとは自分の読みを信じることです。プロだと、だいたいの人は読めているけど、当たる確率が少し高い牌を引いたときに降りることがあります。
でも、自分は自信があったら、自分の読みと心中するわけです。読みが外れて放銃して負けても実力なので納得がいきますけど、
読めていたのに嫌だから止めることはないですね。これは将棋で培ったものです。

――将棋も相手だけでなく、自分との戦いなのですね。

鈴木 将棋は最後に相手の玉を詰ます局面でプロとアマの差が出ます。アマチュアの方で相手の詰みがわかっても、詰ませられない人がたくさんいます。なぜなら怖いからです。

 棋士も詰ますときは何回も読み返しますけど、「これだけ読んだのに自分の読みが外れていたら棋士を辞める」という覚悟で最後に詰ましにいくわけです。
プロ棋士は詰むと思った5手詰を詰まし損ねることはないはずです。そうした経験は麻雀に生きています。読みに自信を持って、遂行する胆力というか。

 将棋界は勝負の鬼が多いですね。子どものころから勝負慣れしている人が多いです。勝負のプロなんです。
麻雀プロで自分よりも強い人はいっぱいいると思うんですけども、それでも、本当に自分の読みを信じてやれているのかな、
読み切っているのかなっていう点はクエスチョンマークのときはありますね。


鈴木大介のインタビューおもろいわ