2023年1月、米アーカンソー州のクリッテンデン郡アールで、18歳の市長が誕生した。米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、新市長のジェイレン・スミスは、2022年春に高校を卒業したばかりの大学一年生だ。

彼は2022年12月初めにおこなわれた市長選に立候補し、経験豊富な対立候補を破って選出された。黒人の住民が多いアールで、彼は米国史上最年少の黒人市長となった。

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スミスが選挙で訴えたのは、衰退しつづけるこの地のインフラを改善し、活気づけることだ。1990年代、アールには3000人以上の住民がいたが、現在ではわずか1800人ほどにまで減少。靴工場は閉鎖され、スーパーマーケットも撤退してしまった。雑草や木に覆われた古い空き家もたくさんある。

スミスはそんなアールの現状を踏まえ、ここに残る人々の暮らしを少しでも良くすると約束した。彼が公約に掲げたのは、市にスーパーマーケットを誘致すること、警察を24時間体制にすることだ。さらに道路の補修、老朽化した建物の取り壊し、地域の活性化などを訴えて有権者の支持を獲得した。