とくさんの良い話

歓喜からわずか3年。初優勝で自己最高の西前頭2枚目まで番付を上げたが、苦難の始まりでもあった。
先場所は東十両12枚目で4勝11敗。12年春場所以来の幕下転落となったが、徳勝龍の心は折れなかった。
「ご苦労さま」の言葉を考えていたという母えみ子さん(60)は場所後すぐ、現役を続ける決意を聞いたという。
「十分に頑張ってくれたし、できることはやったと思ってこれで引退するのかなと。
でも本人は『笑われてもいい。周囲に何を言われても自分が納得して辞めたい』と」。そんな思いを知るだけにこの日の勝利は母にとっても格別だった。