(天声人語)災害と女性の28年
2023/1/17 5:00
 阪神・淡路大震災から、きょうで28年となる。亡くなった6434人で、女性が男性より約千人多かったことをご存じだろうか。
子育てを終え、親の介護や看取(みと)りをし、夫に先立たれた高齢女性が多く犠牲になった

▼理由の一つは、少ない年金で暮らす彼女たちが都市部の「古い住宅に身を寄せ合うようにして住んでいた(『災害女性学をつくる』)からだ。
木造の文化住宅など、高度成長期に建てられた耐震性の低い住居だ。
大都市直下型地震で、死因の約8割は建物などの崩壊による「圧死」だった