研究チームは、様々な身長の被験者42人をランダムに2人1組のペアにしました。成立したペアはお互いに相手を確認し、その後に別々の部屋に引き離されます。

 次に参加者は、別々の部屋の中でそれぞれ18枚のコインを渡され、ペアの相手にこのコインを何枚分け与えるのか質問されるのです。何枚与えるかは自由で、18枚全部渡してもよければ、1枚も分け与えないという判断も可能です。

 研究チームは参加者の身長に注目してこの回答データを分析しました。その結果、170センチ前後の人物は平均で4枚を相手に渡す判断をしていました。一方、身長2メートル前後の人物は平均9枚、つまり手持ちコインの半分を相手に渡す判断をしていたのです。もちろん被験者たちは、相手側のグループもまたこの同じ課題を与えられていることは知らされていません。

 身長の低い男性のほうが利己的であることが示唆されることになったのですが、これは例えば木の高いところにある果物や木の実などへのアクセスのように、高身長よりも低身長は傾向として食べ物などの資源を得難いことから刷り込まれている性格的特徴であると説明できるという。したがって低身長の男性は自分の“分け前”を多く残しておこうとするということです。