タロウさんのこと、もう少し掘ってみると……
幸せを運ぶために、宅配便やってるというふれこみ。
ドン6話『キジみっかてんか』の口ぶりを聞くと、じっさいに運べたためしはないようです。
ドン41話『サンタくろうする』。
子供のころサンタに出会い、サンタのように、人に幸せを配りたかったのでしょうか?
ただ、タロウは、サンタにさえ何ももらえず、むしろ、あたえた人。でも、タロウ少年は「それでいい」と思った。なんで?サンタが遊んでくれたからです。
幼少期から人に秀でていたタロウさん、人から何かをしてもらった経験がほとんどありません。
だから、人から何かをもらったりすることに、たいへん弱い。
鬼頭はるかがクッキーを焼いてきたと聞いて、「ありがたくいただく」と大感激(18話)。
元老院がふるまう無味乾燥な食事を、「せっかくのもてなしだ。ありがたくいただく」とパクつく(29話)。
どっちも、ワナである可能性が高いシチュエーション。それがわからないタロウさんではない。
でも、ストレートに好意として受け取る。
仮に、サンタとの出会いがきっかけで、宅配便をしてるとしても、サンタのようになりたいわけではありませんね。
サンタにもらった幸せが、もう一度ほしいから。
「おれは、幸せというものが分からない。だから、人を幸せにして幸せを学ぶ」(5話)
彼にとっての幸せって?
プレゼントがほしい──そんな功利的なことではありません。味がなくてもいいのですから。
ただ、遊びたい。人と人とのつながりがうれしい。
ドンブラザーズ、異色のスーパー戦隊とかなんとか、見せかけてますけど、これぞスーパー戦隊。
「人と人とがつながる幸せ」をもとめてやまない主人公。
タロウさん、みんなを幸せにできるでしょうか。
そして、タロウさん自身、幸せになれるでしょうか。
というわけで。ドンブラザーズのテーマは、ズバリ、「縁」!!
んなこたー、1話から(というか予告から)、とっくにわかっとんじゃボケ! この妖怪縁結び!!
お後がよろしいようで……
(文責・白倉 伸一郎)