新庄監督も昨季終了後から「あとは後ろ(救援陣)」と強調。その一環として先発陣の中から中継ぎ適性のある投手を救援陣に回す可能性を示唆していた。

ところが、その構想に暗雲が漂い始めている。

あるチーム関係者が苦渋の面持ちでこう語る。

「監督を含め首脳陣は当初、昨季シーズンを通して定まらなかった抑え役に球威と強心臓を兼ね備えた伊藤を抜擢したかったのですが、本人は先発を希望。そこで昨シーズン序盤に中継ぎで9試合連続無失点を記録した吉田とソフトバンクに移籍した近藤の人的補償でチームに加入した田中正義を守護神を含めた中継ぎ候補にしていたのです。ところがこの2人も先発希望を表明。おかげで構想が振り出しに戻ってしまったのです」

現時点でチームの救援陣には復活を狙う鉄腕・宮西や昨季1年目ながら開幕投手&守護神を務めた北山、シーズン中盤から抑えを担った石川、昨季50試合登板で19ホールドの玉井、オフに阪神からトレードで加入した斎藤らが控える。

ただ、いずれの投手も配置が決まっていないばかりか、年間を通しての活躍は未知数。首脳陣は今後キャンプ、オープン戦での状態や結果を通して見極めていく構えだ。