2月も自主トレして備えるらしい


 巨人から自由契約となった山口俊投手(35)が28日、現役続行に向けて2月も自主トレを続行する意向を明かした。練習を行う鳥取市内でブルペン入りし、「(キャンプイン後に)声が掛かっても大丈夫なように」と孤独な闘いを続けている。

【写真】ミスターも期待した巨人時代の山口俊

 ひんやりとした空気の室内練習場に、捕手役のミットの音が響き渡った。外は雪景色。それでもブルペンで腕を振る山口の額には、汗が光っていた。伸びた髪を振り乱し、80球を投げた。

 毎年訪れるトレーニング研究施設「ワールドウィング」。多くのプロ野球選手がオフに自主トレで利用する。だが、この時期になると自主トレは打ち上げ、キャンプインに向けて本拠地に戻っていく。山口はただ一人、当地に残っていた。

 「(キャンプイン後の)2月に入ってから(プロ球団から)声が掛かっても大丈夫なように、トレーニングは続けます。キャンプに招待選手の立場で行った時に、投げられないじゃ話になりませんから」

 現在はまだ立ち投げの状態で、力感も「3割」程度。キャンプで入団テストを兼ねて練習参加する際には、捕手を座らせてある程度の力で投げられるように、調整を進めている。

 昨年10月25日、巨人から来季契約を結ばないと伝えられた。故障もあり1登板止まりだった昨季の悔しさは、他球団で晴らせると信じていた。しかし、一向にどこからも獲得の声が掛からなかった。

 一度は折れかけた心。だが「パパの野球やってるところ、もう見に行けないの?」と少年野球に打ち込む愛息から言われ、もう一度自分を奮い立たせた。

 「家族に完全に背中を押されてます。やれるところまでやろうと思っています」。まだ身は引かない。山口は投げ続ける。

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