ワールド・ベースボール・クラシック(WBC、今年3月)に出場する野球日本代表「侍ジャパン」の栗山英樹監督(61)が28日、栗山町で行われた優勝祈願式及び出陣式に出席し、町民らの前であらためて世界一を誓った。式典後には取材に応じ、日本ハムから伊藤大海投手(25)を選出した理由について言及。タイブレークを含む〝火消し〟の適任者として大きな期待を寄せた。

 26日に登録予定選手30人を発表した。日本ハムからただ一人、伊藤が名を連ねた。走者を置いた場面で送り出し、切り抜けられるのは誰か―。その条件に最も当てはまると判断した。

 WBCはペナントレースとは異なる短期決戦。先発に限らず、不安定な投手を我慢して引っ張るつもりはない。前提として「ダメだと思うなら代えないといけないとなった時に、投手の数が必要だった」と説明。重圧のかかるタフな局面をイメージしつつ「俺の経験上、どこでも誰でもいってくれちゃうのは…調子が良ければ大丈夫なのは大海なんだよね」とうなずいた。

 リリーフ適性、マウンド度胸、奪三振率など、総合的に判断し、メンバー選定の最終局面で決断したもよう。当然、延長十回から採用されるタイブレークでの起用も考えている。昨年11月の日本代表対巨人で実施されたタイブレーク練習で、伊藤は結果を残せなかったが、評価は変わらなかった。指揮官は「そういうこと(タイブレーク)も全部できる。11月の段階で俺が彼を一番理解できていたから。そこは信じて」と言い切った。