あの人はいま 元日本代表 三笘薫さん(33歳)

2030年、南米ワールドカップ。 それを、テレビで見つめる男がいた。
25歳で将来を嘱望され日本代表やプレミアリーグで活躍した、三笘さんは今…

「あの頃は若かったですね(笑)」
若き日を回想する三笘は、どこか寂しげだ
「未だに当時の夢を見ることがあるんですよ。カタールW杯で、俺がアシストしてスペインに勝った夢を」

W杯後はプレミアリーグのブライトンで活躍。2023年夏にはリヴァプールやレアル・マドリードなどビッククラブが獲得を試みたが、高額な違約金によってブライトンに引き留められた。

プレミアの激しいフィジカルコンタクトや日本代表招集による過密日程で故障が重なり、25年夏に契約満了。フリー移籍でポルトガルに活躍の場を求めた。
その後、古巣の川崎フロンターレに移籍するも故障がちになり若手の台頭に押され30歳の若さで引退を決意。
今はうどん屋を営む傍ら、地元の少年サッカーのコーチを勤めている

「いらっしゃい」。
JR南武線 武蔵小杉駅から徒歩10分、「うどん屋 MITOMA」の水色の暖簾をくぐって店内に入ると、タオルマフラーを頭に巻いた三笘薫さんと妻クリアさんの元気な声に迎えられた

「去年の3月にオープンしました。暖簾の『MITOMA』という文字は森保監督に左手で
書いていただいたものだし、Jリーグ開幕に合わせてDAZNや神奈川新聞でも取り上げてもらった
おかげで、等々力から観戦後に足を運んでくださるサポーターが多かったのはうれしかったですね」
とはいえ、その分、プレッシャーも大きかったという

「讃岐うどん好きは飛行機に乗って本場・香川県まで食べ歩きに出かける時代でしょ。ボクが 修業した高松の老舗『うどんのなかにし』はコシが強くてモチモチ感があるのが特徴だから、 硬いくらいに歯応えがあるのが讃岐うどんだと信じ込んでる人にはモノ足りないようなんです。
それで怒られちゃったこともあるけどそれも修業のうち。我慢、我慢です」

かつてのチームメイトで現レアル・マドリード所属のカイセドや、マンチェスター・シティの久保建英について尋ねると…
「あいつら俺よりドリブル下手だったんですけどね(笑) 」と、おどけ
「怪我さえ無ければって…歯がゆいですけど」
「今はもう現役に未練はありません。今度は教え子でバロンドールを狙いますよ(笑)」
(写真)うどん粉を手に持つ三笘さん