>>599
ドイツでは、オスターフラーデン(ドイツ語版)という円形のパンを食べる。パン生地をウサギの形に成形するとオスターハーゼ(Osterhase)となる[50]。

スイスのドイツ語圏のオスターフラーデンは、アーモンドとレーズンのタルトである[51]。

イタリアの復活祭の伝統料理は地方によって異なるが、主菜には子羊が好まれる。もっとも有名な食品はコロンバ・パスクワーレ(復活祭のハト)という、ハトをかたどった菓子パンであろう。パン生地に卵を殻ごと入れて焼いた、クッドゥーラ(cuddura)やプッドリーケ(puddhriche)というパンを作る地域も多い。シチリア島ではペコレッレ(pecorelle)と呼ばれるマルチパンでできた子羊が食べられる。復活祭の翌日の月曜日はパスクエッタ(pasquetta、小復活祭の意)と呼ばれる祝日で、戸外でピクニックをする日となっている。

ギリシア神話の神々の信仰が盛んだったシチリアでは、復活祭の伝統行事の中に死から蘇るキリストとハーデースから帰還するペルセポネーの習合と、デーメーテールやアドーニス信仰の名残りが見られる[52]。

スウェーデンでは、ゆで卵をニシンの酢漬けやアンチョビなどと供する。主菜は家庭によって子羊の脚またはサケが供される[53]。

フィンランドでは、東方教会の影響下にあったカレリアではパスハを、その他の地域ではマンミ(Mämmi)というライ麦粉と廃糖蜜のプディングを食べる[54]。

アイスランドでは、子羊肉またはマトンの燻製と、米またはオオムギのミルクプディングを食べる習慣があった[55]。

ポーランドの復活祭の正餐には、ゆで卵、ソーセージ、乳飲み豚のロースト、ハム、おろしたセイヨウワサビなどが並ぶ。デザートにはマズレク(英語版)やクグロフに似たババ・ヴィルカノツナ(ポーランド語版)を食べる[56]。