「すべては利益のため」
ベケット卿の最後の言葉がすべてを物語っています。

反撃して勝ったとしても、不死身のフライング・ダッチマン号を敵にまわしたことは
今後の世界貿易で会社に多大な損害を与える、負けるとわかって戦っても大
きな損害になる。

彼は「撃て」と叫びたかったでしょうが、叫ぶことができない葛藤がありました。
彼の絶対的な価値観で、人の命より会社の利益が大事、それが自分の命
であってもということです。

あの状況では自分の船が沈み、自らが死ぬことで海賊との禍根を残さず
のちに交渉しやすくするのが会社にとって一番の利益になる、ということを
頭のいいベケット卿は瞬時に悟ったのではないでしょうか。