賠償責任として比較的認められやすいのは、当該店舗の湯呑み、醤油さし、寿司レーンの清掃費用と、醤油さしの中身の廃棄交換費用、また、これらの対応したことを広報する費用等に限られる可能性は十分あるなと考えます。

とすると、賠償額は、数十万円から、せいぜい100万円程度に収まってしまう可能性もあります。

個人的には、本件問題動画は全く許せず、徹底して反省してペナルティが科せられるべきと思いますが、それは感情論であって、司法判断としてはまた別の評価がされてしまうのではないかと思います。

なお、上記について、撮影者も共犯や共同不法行為として法的責任を負う可能性は十分あると思います。

最後に、別の観点への意見ですが、本件について、100億円の賠償などと述べているメディアやコメンテーターが散見されるのが非常に気になりました。

問題を起こした高校生や、その保護者にそんな大金の賠償額を支払えるはずもなく、そこまで多額の賠償請求の可能性を示唆する意味は全くありません。

仮に裁判をするとなれば、100億円もの請求をすると、印紙代だけで1000万円以上かかりますから、全く現実的ではありません。

それにもかかわらず、100億円もの賠償金といった見出しをつけて発表しているメディアやコメンテーターを見ると、まるで現実的ではないのに、一般読者の目を引くことを殊更に煽っているに過ぎないのではないかと思ってしまいます。

このような、あるべき姿を無視して、極端なワードで注目を集めようとする幼稚で安易な精神性は、この問題行動を起こした高校生と本質的に大差ないのではないかとさえ思ってしまいます。


スシローぺろぺろ事件について、賠償額は100万円程度??(弁護士が解説)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fukunagakatsuya/20230202-00335377