ただ……何かが変わってきました。
毎週かかる『Don't Boo!』に洗脳されたからでもなく、桃太郎ベースだからでもなく。
たぶんそれは、桃井タロウが、「幸せを運ぶ」人だったから。
いわゆる被害者だけでなく、敵である脳人や獣人にいたるまで、桃井タロウと袖振り合った者は、みんな幸せにならないといけない気がしてきました。
この47・48話ごろは、もう「プロット打合せ」をしていません。ノー打合せで、いきなり台本を上げてもらう。
ふつうは、脚本の執筆にかかる前に、発注打合せ→プロット打合せというダンドリを踏み、ストーリー内容や方向性をすり合わせるもの。
台本が上がる前から、監督や企画陣は、どんなお話になるか知っているのが通例です。
でも、ここらのエピソードでは、みんな、台本をもらって初めてお話を知る。ちょっと視聴者より早いだけで、見てびっくり読んでびっくりなのは変わりません。
脚本家の放し飼いというか、プロデュース陣のサボりというか。ただ、プロットをもらったところで、もはや無意味。
この期に及んでは、どんなお話をつむぐかというより、各キャラが、どういう結末に向かって進んでいくかという段階。
それを決めるのは各キャラであって、わたしたちではありません。
桃井タロウと縁をもった人たちは、どういうハッピーエンドに向かうのでしょう？
そしてタロウ自身も……
(文責・白倉 伸一郎)