シリーズファンからうれしい悲鳴が聞こえた一方で、日本のユーザーからは「なぜ『1』からリメイクしないのか?」という意見が散見された。海外は少し違う。もちろん日本のような意見がなかったわけではないが、その多くが『サイレントヒル2』からリメイクすることは当然のことと受け止めていた。日本と比較しても海外で『サイレントヒル2』が評価されていることが、筆者の目にはあらためて印象的だった。

 実のところ、筆者も2001年に発売した『サイレントヒル2』が描いていたテーマの先進性に気付いたのは、せいぜい10年ほど前のことだ。海外のアクションアドベンチャーゲームの傾向を逆算していくと『サイレントヒル2』が描いていたテーマに行き当たるのではないか、そのように微かに感じ始めたのだ。その萌芽は、これまで陽気な世界観を描いていたGTAシリーズが『グランド・セフト・オートIV』(2008)でアメリカン・ニューシネマのような暗く陰鬱なエンディングに到達したときだったように思う。

 その後、『ファークライ2』、『HEAVY RAIN 心の軋むとき』、『レッド・デッド・リデンプション』、『バイオショック インフィニット』、『The Last of Us』、『ゴッド・オブ・ウォー』などが登場した。ここにインディーシーンを加えるならば『Dear Esther』、『返校 Detention』、『Hellblade Senua's Sacrifice』、『ディスコ エリジウム』、『OMORI』を加えてもよいだろうし、『ゆめにっき』(2004)はその中でも『サイレントヒル2』に次いで先進的だった。これらはどれも内省に満ちたストーリーで、暗く悲劇的な側面を持っている。

 『The Last of Us』を作ったニール・ドラッグマンは、『サイレントヒル2』について「時代を先取りしていた」と言及している。現代ゲーム――ここでいう現代ゲームとは主に欧米のストーリーゲームであり、日本はまた違うが――を象徴している『The Last of Us』を開発したニール・ドラッグマンが「時代を先取りしていた」とまで評する意味は、もっとシリアスに捉えられていいはずだ。

https://jp.ign.com/silent-hill-2-remake/64952/feature/2-2

ええシナリオやけど爆上げさせすぎやろ
怖いわ