リベンジの幕を開けるのに、阪神ほどふさわしいコースはない。昨年の大阪杯が9着で宝塚記念は6着。ともに1番人気に支持されながら一敗地にまみれたエフフォーリアが、同じ舞台から狂った歯車を戻す。
 新年の始動戦としては、昨年と同じ大阪杯やサウジアラビアへの海外遠征という選択肢も考えられた中、前走から中6週となる京都記念が選択された。その理由を鹿戸師は「(5着だった)有馬記念後の疲労回復が早く、牧場でも早めに乗り出せたし、状態が良かったので」と説明する。
 前進気勢に課題が見えた近走だったが、徐々に前向きさが戻ってきている。1週前には美浦Wでマイネルミュトス(7歳3勝クラス)を2馬身半追走し、直線は内から来たバラジ(4歳2勝クラス)との間に挟まれてファイト。5F67秒5、ラスト1Fは馬なりで12秒1で内に1馬身、外に3馬身先着し、自らグイッと伸びる姿勢を見せた。この動きに師も「良いケイコができた。動きは良かった。1回(有馬記念を)使って体が締まってきた」と手応えを感じた様子だ。
 大阪杯はゲートで顔面を強打し、宝塚記念はハイペースに暑さと、昨春の2戦はそれぞれ敗因がある。半年の休養を挟んだ前走の有馬記念は勝ちにいく競馬で5着と存在感を示し、師も「自分のレースができたと思うし、兆しが見えたレースだと思っています」と評価する。このままでは終われない5歳初戦。昨年のダービー馬ドウデュースやG1馬キラーアビリティなど強敵はいるが、3歳時の輝きを取り戻すのは、ここからだ。

これで負けたら二度と買わんでいいか?